夫が休職、収入はどうなる?教員家庭のうつ病とお金の話

お金

まずは健康が最優先。でも「お金の話」は避けられない

夫の症状は、典型的な“うつ”のものでした。夜眠れない、食欲がない、仕事のことを考えると激しい動機——。教員という仕事は本当に責任が重く、日々の膨大な業務をこなしながら子どもや保護者との関係、精神的に追い詰められることが多い仕事です。

病院に行き、正式に「うつ病」と診断され、まずは3か月の「病気休暇」に入ることになりました。

このとき、最も不安だったのが「収入はどうなるの?」ということでした。子どももまだ小さいし、住宅ローンも残っている。我が家の家計は、夫の収入がベースになっています。


教員の病気休暇と休職制度の流れ

調べてみると、公立学校の教員にはしっかりとした休職制度が整っていました。特に、精神疾患による休職は今の時代、決して珍しいことではないようで、制度としても対応がされています。

【1】病気休暇(最長90日)
まずは3か月間の病気休暇。この間は給与が満額支給されます。保険料や税金なども通常通り引かれますが、手取りの金額はほぼ変わりません。この期間は、夫も少しホッとして療養に集中できたと思います。

【2】休職(最長3年間)
病気休暇が終わると、「休職」という扱いになります。休職中は次のように給与が変わります。

  • 最初の1年6か月:給与の8割が支給
  • それ以降:給与は支給されないが、傷病手当金が健康保険から支給(標準報酬月額の2/3)

つまり、いきなり無収入になるわけではありません。初めの1年半は8割の給与があるため、大きなライフスタイルの変更はせずに済みます。

そして、1年半を超えて療養が続く場合でも、「傷病手当金」が支えになります。これは健康保険から支給されるもので、標準報酬月額の3分の2相当が支給されるのです。

さらに、うつ病などの精神疾患で休職が長期化した場合、発症から1年6か月(=1年半)を経過すると、「障害年金」の申請が可能になります。これは「働くことが難しい状態が続いている」と医師に判断された場合に支給される年金で、初診日が厚生年金や国民年金に加入中であれば、等級に応じて月額の支給が受けられる可能性があります。

我が家もこのタイミングで障害年金のことを知り、主治医や年金事務所に相談を始めました。制度は少し複雑ですが、該当する方にとっては大きな経済的支えになるものなので、忘れずに検討しておくことをおすすめします。


実際にかかったお金と家計の見直し

収入が減ることは事実です。そこで我が家では、以下のような見直しを行いました。

  • サブスクリプションの解約(動画、音楽、新聞など)
  • 保険の見直し(掛け捨て型で見直せるものは調整)
  • 食費の工夫(外食を減らし、買い物を計画的に)
  • 格安スマホに変える(Ymobile、UQmobile、楽天mobile等)

しかし、実際に生活してみると、思っていた以上に通院費や薬代がかかり、家計にじわじわと響いてくることを実感しました。

そんなときに利用をおすすめしたいのが**「自立支援医療制度」です。これは精神科などの通院にかかる医療費の自己負担額を原則1割に軽減してくれる制度**で、認定されれば非常に助かります。自治体に申請して承認される必要がありますが、経済的な負担を大きく減らすことができます。

ただ、注意点として、休職を延長するには3か月ごとに診断書を提出しなければならず、そのたびに医師に書いてもらう診断書代(夫が通院している病院では7700円でした)もかさんでいきます。療養が長引く場合は、このような“見えない支出”にも備えておくと安心です。


支える家族も、無理をしないことが大切

うつ病は、「すぐに治る」病気ではありません。薬やカウンセリングで症状が安定しても、再発することもあります。だからこそ、長期的な視点で構えることが必要です。

そのためには、支える家族自身も息抜きが必要だと痛感しました。私も最初の頃は、「家計を守らなきゃ」「夫を支えなきゃ」と頑張りすぎて、体調を崩しかけたことがありました。

今は、週に1度は自分の好きなことをする時間を確保するようにしています。カフェで読書をしたり、友達と話したり、小さなことでもリフレッシュになります。


まとめ:制度を活用して、焦らず向き合う

夫がうつ病で休職してから、家計のこと、生活のこと、心のこと——本当に多くのことを見直す機会になりました。

「教員だからこそ制度が整っている」という安心材料があったことも事実です。公務員として働いている方は、思っている以上にしっかりとした保障があります。

焦らず、制度を活用しながら、「今できることを少しずつ」。支える側も、自分の心と体を大切にしていく——そんな日々を過ごしています。

この体験が、同じような不安の中にいる方の、少しでも参考になれば幸いです。

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