はじめに
うつの家族が「今日は何もできない」と言った日。
声をかけようとして、言葉が喉で止まる。
何かしてあげたいのに、何をしても間違えそうで、ただ立ち尽くしてしまう——そんな経験はありませんか。
支える側は、いつも静かに追い込まれています。
励ましても重くなりそう、そっとしておいても冷たい気がする。正解が分からないまま、今日も一日が終わっていく。
この記事は、うつの家族を支える中で、**私自身が迷い、悩み、失敗しながら見つけた「それでもよかった接し方」**を書いたものです。
前向きになれなくてもいい。立派な支え方じゃなくていい。
「それでも、ここにいるあなた」に向けて書いています。
「何もできない日」は、怠けではない
うつの症状があると、体は元気そうに見えても、心と脳が動かない日があります。起き上がる、話す、選ぶ——それだけで大きな負担になることも珍しくありません。
「昨日はできたのに」「前は普通だったのに」という比較は、本人を責める言葉として伝わってしまいがちです。何もできない日は、症状の一部。まずはこの前提を、支える側が持つことが大切でした。
してよかった接し方①:理由を聞かない
一番最初に手放してよかったのが、理由探しでした。
「何がつらいの?」「どうして今日は無理なの?」
善意の質問でも、答えを探す作業そのものが負担になります。
代わりに使ってよかった言葉は、
- 「今日は無理な日なんだね」
- 「そういう日もあるよ」
理解しようとするより、受け止める。それだけで、空気がやわらぎました。
してよかった接し方②:選択肢を減らす
「何か食べる?」「どうする?」と聞くことさえ、重い日があります。
そんな日は、
- 「おかゆ作るね。あとで置いておくよ」
- 「今は休んでて。必要なら呼んで」
決定を代わりに引き受けることで、本人の消耗が減りました。断る自由を残した一方通行の提案が、ちょうどよかったです。
してよかった接し方③:何もしない時間を“許可”する
「今日は何もしなくていい日」に、家族が同意すること。
これが想像以上に、本人を救いました。
- 家事を減らす
- 予定を入れない
- 眠ることを咎めない
回復のための休みだと、言葉にして伝えるだけで、罪悪感が和らぐ様子がありました。
しなくてよかったこと①:元気づける言葉
「大丈夫」「気にしすぎ」「そのうち良くなる」
どれも間違いではありませんが、“今のつらさ”を否定されたと受け取られることがありました。
良かれと思ってかけた言葉ほど、距離ができてしまうこともあります。
しなくてよかったこと②:良い日の基準で期待すること
昨日できたことを、今日もできる前提で考えてしまう。
この期待が、本人にも家族にも負担になっていました。
波があるのが前提。
できない日が戻ったのではなく、行ったり来たりしながら進んでいる。そう捉えるようになって、気持ちが楽になりました。
支える側が一番忘れがちなこと
それは、支える側も限界まで頑張っているという事実です。
・相手の表情に一喜一憂して
・言葉を選び続けて
・自分の感情を後回しにして
気づけば、深呼吸の仕方さえ忘れてしまう。
「私がしっかりしなきゃ」
その思いが強い人ほど、倒れる直前まで自分を無視してしまいます。
でも、本当は——
あなたも、もう十分に頑張っています。
誰にも見えないところで、何度も踏みとどまってきたはずです。
短い散歩でも、誰かに話す時間でも、ただ何もしない時間でもいい。
あなたが少し休むことは、逃げじゃありません。
それは、これからも一緒に生きていくための、大切な準備です。
正解はひとつじゃない
この記事に書いたことが、すべての家庭に当てはまるわけではありません。
ただ、
- 迷っているのはあなただけじゃないこと
- うまくできない日があってもいいこと
それが伝われば、この記事の役割は十分だと思っています。
今日もお疲れさまです。
支えるあなたも、ちゃんと頑張っています。
※このブログでは、うつを支える家族の実体験をもとに、暮らしや気持ちが少し楽になるヒントをまとめています。無理のないペースで読んでください。



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